「試用期間中の退職は、転職においてフリになる」こんなことが言われてますよね。僕も同感です。
しかし、
- どのくらいリスクがあるのか?
- 試用期間中の退職はどのようにすれば良いのか?
- 即日で退職することはできるか?
を理解していない人が多いと思います。
そこでこの記事では試用期間中の退職のについて、実際に試用期間2週間で会社を辞めた私から解説していきます。
具体的には、
- 試用期間って通常期間と何が違うの?
- 試用期間中の退職で気をつけたいポイント
- 試用期間中の退職にまつわるメリット、デメリット
- 試用期間中の退職はどのように転職に影響するか?
- それでも退職したいときの最善策
の順番に要点だけに絞って解説しますね。
この記事は10分ほどで読めます。10分後には「試用期間中の退職」について理解できるので、まずは一読を!
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試用期間と通常期間で何が違うの?
試用期間と通常期間の違いについて理解していきましょう。具体的には、
- 試用期間の特徴とは?
- 試用期間と通常期間の違いは?
順番に紹介しますね。
試用期間の特徴とは?
試用期間とは、企業が本採用する前に「社員としての適性」があるかを判断する期間です。面接回数が少なくなった現代は、企業と社員のアンマッチが起きやすい状況となっています。
そのため企業側で新入社員、中途入社社員の適性を見る期間を設けました。これが「試用期間」と言うわけです。
試用期間の長さとしては、1ヶ月から半年ほどの期間を設けている企業が多いですよね。その期間が満了すると、本採用になるケースが一般的です。
試用期間の解雇について
試用期間であっても、不当な理由で解雇することはできません。つまり本採用後の通常期間と同じ解雇条件となっております。
労働契約についても長期雇用目的で締結しているものなので、通常とほとんど同じでしょう。
では、どのようなときに解雇されるのでしょうか?それは以下のときです。
- 勤務態度の悪さ
- 経歴詐称
- 欠勤過多
この辺も通常期間の解雇される条件と同じですよね。「期待していた能力がない」、「会社の雰囲気と合わない」等の理由で解雇されることはありません。
僕は試用期間で辞めるときに社内規定である「副業する際は申請を出すこと」というルールに違反してる容疑を掛けられましたが、解雇にはなりませんでした。(副業はしていなかったので。)
社内規定に違反している場合は、罰が与えられるかもしれません。しかし社内規定が違法の場合、その限りではありません。
例えば、退職する3ヶ月前に申告することという社内規定がある場合でも、労働者の権利として2週間前に申告すれば辞められることになっています。
3ヶ月前に申告しなかったので「解雇」する行為は違法になるので、その場合は弁護士を付けて戦いましょう。
結論、違法な解雇、社内規定は気にする必要はありません。
試用期間中に社内規定は隅々まで把握しよう
できれば入社前までに、労働契約書は確認しましょう。自分にとって不利な契約が含まれている場合があります。
例えば、試用期間中は残業代を支払わない、試用期間中は各種社会保険に登録しない。
上記の例えは全て違法です。試用期間中と通常期間で、残業代や保険は異なってはいけません。そもそも残業代を払わないのは違法ですし、社会保険に入らないのも違法ですね。
不利な契約をすると退職した後に、働いていた記録が無くなり、失業保険をもらえないこともあります。労働契約に違法性が無いか、再度確認しましょう。
試用期間と通常期間の違いは?
上で書いてきた通り、試用期間と通常期間の違いはほとんど無いでしょう。
しかし調査を進めると「試用期間中にクビになった」との経験談が出てきます。その経験談には、いづれも共通点がありました。以下にまとめるので、確認してみましょう。
- 上司や先輩の話を言うことを聞かない
- 与えられた仕事をしない
- できると言っていたことができない。できるように努力しない
- コミュニケーション能力が無く、一般的な会話ができない
- 休む回数が多い
普通に仕事に取り組んでいて、解雇されることはほとんど無いでしょう。(上でも述べましたが、基本的に通常期間と解雇されるには条件は一緒です)
試用期間は、企業側に残された最後のフィルタリング機能となっています。要らない社員が入ってくるのを防ぐ、最後の選考だと思っていた方がいいかもしれません。そのため通常期間より解雇しやすい状況となっているのを忘れないようにしましょう。
しかし、試用期間中に解雇されることは滅多にありません。それは採用した側にも責任が問われるからです。
例えば現場の部長が面接をして、入社し試用期間になったとしましょう。それで仕事ができず解雇にする場合、部長の面子は丸つぶれですよね。
普通に仕事している分には解雇されることはありませんが、「解雇することもできる」と認識しておきましょう。
試用期間中の退職で注意するポイント
試用期間中の退職も通常期間の退職もほとんど同じですが、僕が体験したことが少しイレギュラーだったので、紹介しますね。
試用期間中の退職で気をつけるポイントは、以下の3つです。
- 即日退職は不可、辞める前に2週間必要!
- 有給休暇の使用はOK!
- 欠勤しすぎると給与を返還することも!
順番に紹介しますね。
即日退職は不可、辞めるのに2週間必要!
試用期間であっても、即日退職は不可です。労働契約を結んでいる以上、以下のルールは守る必要があります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
(民法627条1項)
即日や短期退職を例外的に認める場合は、会社側の合意が必要です。僕の場合は会社から即日で辞めるように指示が出たので、即日での退職となりました。
基本的には「即日退職は違法!」と覚えておきましょう。
しかし、中には即日退職できたという口コミもあります。僕みたいに会社と従業員が合意の上辞める方法が一つ。
もうひとつは、欠勤や有給休暇により退職日まで出勤しない方法です。これが即日退職可能となっているカラクリですね。
退職代行の売りである即日退職は、実質2週間を有給や欠勤で埋めているだけとなっています。
有給休暇の使用はOK!
試用期間中であっても、有給休暇の使用はOKです。一般的には5日〜10日程度、設けられています。
なぜなら有給休暇が無いと、いきなり欠勤扱いになるからですね。
例えば優秀なAさんが試用期間中に体調不良で休む場合、欠勤になってしまい給与が減る可能性があります。優秀な人がそんな会社に入社するでしょうか?
つまり優秀な人を集めるために、試用期間中も有給休暇の取得を認める企業が多いです。
ちなみに退職が決まっていても、有給休暇は取得できるので安心してください。
欠勤しすぎると給与を返還することも!
欠勤や月の途中で退職した場合、給与を返還する可能性もあります。僕は月の半ばで退職したため、残りの期間の給与を翌月に銀行振込で返還しました。
欠勤や月半ばの退職で給与の返還を求められるパターンは社内規定によります。例えば社内規定に「月半ばでの退職や欠勤が月の30パーセント以上の場合、支払い給与の返還を求める」と書いてある場合は返還する必要があるでしょう。
以下の表をご覧ください。
退職日 | 給与振り込み日 | 給与額 | 給与返還額 |
10/31 | 10/25 | 30万円 | 0円 |
10/15 | 10/25 | 30万円 | 15万円 |
上記パターンが起きるのは10/25に振り込まれた給与が、当月分(表だと10月分)の場合のみです。
「当月の前払い」or「翌月支払い」は社内規定を見直して、確認しておきましょう。返還手続きは講座に振り込むだけなので簡単なのですが、返還する手間を無くしたいですよね。
有給休暇をうまく使って、給与返還を事前に防ぎましょう。
試用期間中の退職メリット
試用期間中に退職することは、必ずしもデメリットだけではありません。以下のような、メリットがあります。
- 第二新卒枠を狙える
- 無駄な時間が減る
- ストレスが無くなる
それでは順番に紹介しますね。
第二新卒枠を狙える
新卒や若手の場合に有効なのですが、第二新卒枠を狙うことができます。なぜなら、どこの企業も若手の働き手を探しているからです。
実際にdodaの調べでは、85%が転職に成功しています。しかし3回目以降になると、転職成功率は大幅に落ちて45%程度となります。
僕の元同僚でも第二新卒で転職する人は、多いですね。5人ほど第二新卒で転職しましたが、年収UPややりたい仕事に就けています。
試用期間での退職が問題なのではなく、期間や理由が重要視されるようです。なぜなら転職の際に誰が悪かったのか?を確認する必要があるからです。本人に問題があったのか、それとも企業側だったのか?明確にしておきたいですね。
転職時には、「企業側に問題があったから短い期間で辞めた」と伝えられれば良いでしょう。もしホワイト企業にいる場合、試用期間での退職は少し考えた方がいいかもしれませんね。
無駄な時間が減る
自分が成長しない企業に長くいるメリットはありません。無駄なことしているのであれば、一刻も早く辞めて、別の企業に転職することをおすすめします。
実際にdoda調査によると、以下のような理由で転職している人が多いようです。
順位 | 理由 | 比率 |
1位 | 他にやりたい仕事がある | 14.9% |
2位 | 会社の将来性が不安 | 10.7% |
3位 | 給与に不満がある | 10.5% |
参照:https://doda.jp/guide/reason/index.html
今居る会社に長期的に残る理由が無ければ、試用期間のうちに退職し別の企業へ転職しましょう。そちらの方が時間を有意義に使えて、長期的に見てプラスになります。
僕自身も試用期間中に退職したのですが、以下の理由でした。
- やりたい仕事ができない
- 深夜までの残業が常態化している
- 将来のためにならない
試用期間中に辞めることは、他に時間を使えることになります。自分にあった企業を早く探して、働けるように頑張った方が効率的ではありませんか?
ストレスが無くなる
試用期間中の退職を検討している方の原因としてストレスが多いですよね。そのストレスは、どのようなものでしょうか?
- 簡単な仕事しか振られない
- 今の環境に慣れない
- 嫌いな人が職場にいる
この辺の理由であれば、退職をもう一度考えた方がいいかもしれません。いくらストレスとはいえ、他の企業でも発生する要素ですので。
しかし以下のようなストレスの場合、すぐ退職しましょう。
- パワハラ、セクハラなどのハラスメントが常態化
- ブラック企業で残業代や有給休暇が無い
- 朝起きれないほど、体調が悪い
ブラック企業やハラスメントは、すぐに辞めた方がいい案件ですね。一度慣れてしまうと常態化してしまい、正常な判断ができなくなります。
以前、電通に勤めていた女性が自殺したことがありましたよね。ハラスメントや労働時間の超過により精神異常をきたすことは、珍しくありません。世間体や転職へのリスクを考える前に命を大切にしてください。
ストレスから早く逃げることはプラスの面もあります。精神的に健康であれば、別の企業で働くことができるでしょう。しかし、一度トラウマになってしまうと、社会復帰が難しくなることもあります。自分の体調と相談して、無理だったら即退職しましょう。
僕の場合も深夜残業が常態化している現状を見て、「自分は耐えられそうに無い。」と考えたため試用期間中の退職を決意しました。
試用期間中の退職デメリット
試用期間中に辞めたい人が一番知りたいのはデメリットですよね。実際に、試用期間で辞めた私が遭遇したデメリットを紹介します。
- 周りに心配をかける
- 新卒の場合大学の採用に影響が出るかも
- 失業保険がもらえないことも
順番に解説していきますね。
周りに心配をかける
試用期間中の退職は比較的、短期間での退職ということになります。親や友人からは心配されるでしょう。
自分が決めたことなので、しょうがないですね。例えば、体調が崩れてしまいボロボロになって退職した場合、体調面を心配されますよね。短期間での退職は理由によって受け取り方が異なります。
僕の場合は「やりたい仕事ができなかった」、「労働環境が悪かった」の二つを説明しました。それでもやはり「今後どうするんだ」という心配をされました。
自分の人生のことなので、自分で決めるのは当たり前なのですが、周囲からの理解も得たいですよね。その場合転職先を探したり、やりたいこととスケジュールを明確にし周囲を説得しましょう。
健康が理由の場合は、それを伝えれば納得してくれるでしょう。いづれにしても周囲は、短期退職したあなたを心配するのでそのつもりで退職計画を立てましょう。
新卒の場合大学の採用に影響が出るかも
新卒で就職した場合、大学との兼ね合いが発生するところもあります。例えば学校推薦で就職した場合などですね。
次の年からその大学の卒業生は入社させないという暗黙のルールができるかもしれません。僕が勤めていた会社も暗黙の採用ルールがありました。(学校ごとでは無く、サークルとかですが。)
しかし後輩のことを考えて、あなたの人生を無駄にしないでください。自分が退職、転職したい!と思ったタイミングですれば良いでしょう。
失業保険がもらえないことも
失業保険をもらう場合は注意が必要です。勤めていた期間とそのときの給料から失業保険は算出されるので、あまりにも短期間だともらえません。
失業保険の受給条件は以下の通りです。
- 雇用保険に入っている(入っていた)
- 過去2年間で12カ月以上働いていた
ですので1社目を数ヶ月で辞めても失業保険は出ません。僕の場合は2社目でしたので、1社目と合算して失業保険をもらうことができました。
失業保険が無いと生活できない!と考えている人もいるかもしれませんが、貯金やバイトなどいくらでも仕事はあります。
精神的苦痛から早く脱出したいときに、お金のことを考えている場合ではありませんよね。まずは自分の命を最優先しましょう。
試用期間の退職は転職に影響する?
試用期間中の退職を検討するときに気になるのが、転職へ影響ですよね。実際のところどうなのでしょうか?
結論から話すと、「試用期間中の退職は、転職に影響します」。試用期間だからというより「短い期間で退職しているから」だと考えた方が良いでしょう。
しかし、連続で何回も退職しなければ問題無いです。企業は若い働き手を欲しがっているので。また、退職した理由をしっかり考えることができていれば、転職面接も問題ないでしょう。
転職の際には、転職エージェントと一緒に退職した理由を考えると良いでしょう。転職エージェントは、短期間で辞めた人も担当してきたので知識やノウハウも溜まっています。
短期間での退職→転職は絶対にエージェントと進めてください!でないと内定をもらうことが難しくなってしまいます。
僕が利用していた転職エージェントはdodaです。丁寧に履歴書や職務経歴を確認していただき、その後、強みを一緒に考えてくれました。
他の大手転職エージェントより細かく見てくれるので、おすすめです。
それでも試用期間中に退職したい場合は?
試用期間中に、退職するとなると気まずいですよね。そもそも上司にも相談しにくい状況です。僕の場合、上司がどこにいるかもわからない状態でした。
- 上司や同僚からどのように見られるんだろう
- 入社してすぐなのに、言いづらい
- 利益を上げていない状態で辞めるのが申し訳ない
総じて、「短い期間での退職は言いづらい」で間違いないでしょう。
そんなときは退職代行を利用してください。僕が試用期間で辞めた時も退職代行を使って辞めました。退職代行の体験談
退職代行は3万円程度で、退職に関することをすべてやってくれるサービスです。
職場への電話から有給消化のサポート、離職票の請求などを担当してくれます。また即日で辞められるように欠勤や有給休暇の調整も伝えてくれます。(調整や交渉はできる業者が決まっています。)
試用期間中に辞めたいと考えている人は、精神的に弱っている人だと思います。退職するときにかかる精神的不安に耐えられないから、まだ企業に残っているんですよね。
それで最終的に精神がやられて、会社行けなくなって休業、最終的に退職。
そんな未来になるくらいだったら、3万円程度支払ってスパッと辞めて新しいところで自分にあった仕事をした方が100倍有意義な人生です。
ちなみに転職エージェントもついている退職代行があります。その転職エージェントを使用して、転職すれば、退職代行の費用はキャッシュバックされる業者もあるんですよ。(実質無料ですよね。)
実際に僕が利用者として、本当に信頼できるおすすめな退職代行業者を選びました。退職代行を使う予定があるひとはぜひ一読を!
試用期間中に退職したい!注意点やメリット・デメリットを紹介【即日で辞める方法も】のまとめ
試用期間中の退職について説明しました。最後にもう一度おさらいをしましょう。
試用期間中と通常期間中は、ほとんど変わりませんでしたよね。勤務態度が悪かったり欠勤が多かったりすると解雇になりやすいのが試用期間でした。
- 即日退職はできない
- 有給休暇の使用可能
- 欠勤が多いと給与を返還する事も
試用期間中の退職メリット・デメリットは以下の通りです。
試用期間中の退職メリット | 試用期間中の退職デメリット |
第二新卒枠を狙える | 周りに心配をかける |
無駄な時間が減る | 大学に迷惑がかかるかも |
ストレスから解放される | 失業保険がもらえないことも |
試用期間での退職は、転職に影響を及ぼします。その場合は転職エージェントと相談しながら転職を進めましょう。僕が使用してきたおすすめの転職エージェントはdodaです。
また、退職時に「退職することを言いづらい」と悩んでいる人は退職代行がおすすめです。僕も退職代行を使って、試用期間中に退職しました。
試用期間中に辞めても、人生は終わりません。むしろ始まりです。僕は試用期間で辞めてよかったと毎日実感しています。試用期間で辞めたい!と本気で考えている場合は、辞めてしまいましょう。
その後、自分にあった環境で自分の能力を伸ばした方が良いですよね。より良い人生を送るために思い切った決断をしましょう。